1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
そのままいつも通りの話の流れになり、さっきの不穏な空気も薄れていく。
何事もなかったかのように振る舞う秋空にこのままなかったことにされるんじゃと焦った。
授業が始まったときに、回すプリントの後ろに紙切れが挟まっていた。
『今日の授業後』
それだけ書かれた紙切れ。
勝手に決められたことに思わず腹が立ったけど、それ以上文句なんか言えなかった。
分かったの代わりに舌打ちすれば、秋空の背がめんどくさそうに猫背になる。
そうして、授業後。
秋空は適当な理由をつけてよもちゃんを先に帰した。そして教室で2人きりになるのを待って、秋空を連れ出した。