1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「大体、お前蓬に言ったわけ?」

「あ!?」

「蓬が好きだって。言ってねぇの」

「言ったことあるに決まってんだろ!」

「なら、最近は?何回言ったんだよ」

 上から目線で、しかもそんなこと聞いてくるなんて。

 そんなこと秋空には関係ねぇだろ…。
 何様だよ。なんでこんなことまで聞かれなきゃいけないんだよ!?

「今のあいつなら、ちゃんと返事してる」

「…は?」

「今でも1年とかには告白されてんだよ。蓬は。好きだって言われて、蓬はちゃんとごめんって言えるようになった」

「な…なんで、秋空がそんなこと」

「やっと分かったんだって言ったんだよ。やっと、あの人たちの好きの意味が分かったって」

「…秋空は、言ったわけ?」

「何回も言ってる。でも、まだ正式に告白はしない。その時に返事くれって言ってある。…お前はさ、行動にも起こしてないくせに怒るのか?」

 秋空の視線がまた鋭くなる。

 一瞬揺らいだ気持ちを無視して睨み返す。
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