1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
家に着くと、さっさと着替えてベッドに倒れこむ。
ほんとはシャワー浴びたいけど、疲れ切っていてそれどころじゃない。
制服だってどうにかしねぇといけないのに。脱ぎ捨ててそのまんまだ。
ベッドに転がったままぼおっとする頭でどこを見るわけでもなく目を開いている。
何やってんだよ。ほんとに。こんなの、らしくねぇだろ。
寝返りを打って、天井を眺める。
前にこんなに暴れたのいつだっけ。あぁ、確か中学の時だったような。
学校で施設の奴がいじめにあって、それの仲裁に入った時。何人かの男子と殴り合いになった。あの時も先生が飛んでくるくらいに大暴れして、気づいた時には俺が1人だけ立ってたっけ。
ケンカが強くなったのは自然と。俺らのことを馬鹿にしてくる奴らとケンカばっかしてたから。
大体そのあとはいじめられてた奴は、俺と一緒に住んでるなんてかわいそうとか言われて、いじめてた奴らの輪に入っていく。
それで、最終的にはいつも1人になって、それが当たり前になって。寂しいのを我慢して、ひたすら悪役に徹してたっけ。
櫻高校に決まったのも、慌てて決めたからってのももちろんあったけど、そこ以外行けそうになかったんだよな…。
まぁ、後悔なんかしてないけど。