1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「うにゃ!?」
なんだその変な声。つうか女…?
ドアの前にうずくまってる奴を見下ろして、すぐに血の気が去ったのが分かった。
「蓬!?」
顔面を抑えてプルプルしてる。
うわぁ、やらかした。まさか蓬がこんな乱暴なチャイム押すなんて思ってなかったし…。
まず、来るとも思ってなかったし。
同じようにしゃがんで、蓬の頭を撫でる。
「わりぃ、訪問販売かなんかかと思った」
「…いえ、私も連打してしまったので…」
鼻を打ったのか少し赤くなってたけど、幸い鼻血はなかった。
思わずほっとしてとりあえず蓬を中に招き入れる。
「どうしたんだ?」
「手当、してないと思ったので」
「…これくらいほっとけばいい」
「ダメです!ちゃんと手当しないと長引いちゃうんですから!」
蓬はそういいながら、持ってきたらしい救急箱を開ける。
ベッドに座らされて、少し悩んだ蓬は手を引っ張ってくる。