1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
小学校に上がっても、よもちゃんのことはなぜか忘れられなかった。
ふとした時に手紙を書こうって思いついて、親戚の集まりの時にこっそり兄ちゃんに近づいて手紙を頼もうとしたけど、兄ちゃんはごめんって目じりを下げた。
「もう、あそこには行ってねぇんだ。俺、もう働いてるしさ…」
よもちゃんにも会ってないんだって、ごめんっていっぱい謝られた。
よもちゃんに会うことは諦めるしかなくて、忘れるしかなかった。
だから、中学に上がったら部活に打ち込んでいって、よもちゃんのことなんか、完全に忘れていた。