1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

 携帯が鳴る。見れば朔夜さんからで、慌てて出る。

「朔夜さん!遥人くんは…」

『大丈夫だ。川のとこにいたのを回収した。お前はどこにいる?』

「△△駅に向かっています」

『なら、そこで待ってろ。もう帰るんだろ?ついでに送ってやる』

「お願いします」

 電話が切れる。思わず息を思いっきり吐き出す。

 よかった。とりあえず遥人くんは大丈夫ですね…。

 それにしても、遥人くんが弟かぁ。実感ないや…。

 駅に向かって歩き出す。

 小さな駅のロータリーにはバイクが3台。朔夜さんと輝星さん、凪さんがいました。

 そして、朔夜さんに首根っこを捕まえられている遥人くんも。

「朔夜さん!」

「よも~!」

「ふぎゅ!?」

 輝星さん、苦しいです…。

 ひとしきり撫でまわされて、やっと解放してくれました。
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