1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「…姉ちゃん、俺、1人でも…」
「何言ってんの?1人ぼっちは寂しいんだから」
「でも、姉ちゃんは…」
「…私は大丈夫。今まで甘え過ぎてたの。だから、今度は支える側になる。それだけでしょ?」
「俺、ここにいてもいい。嵐鬼のみんなもいるし…」
「…遥人」
「姉ちゃん気づいてる?1週間、全然笑えてないんだよ?俺、姉ちゃんが笑えないままなんて、やだよ…」
笑えて、なかったんだ。笑ってるつもりではいたんだけどな…。
「…姉ちゃん」
「…ごめん、ちょっと散歩してくる」
「…分かった」
部屋を出て、当てもなく歩き出す。
笑えてないんだ。あぁ、ダメですね。心配かけただろうなぁ…。
駅とは反対方向に歩き始めて、そのうち住宅街に埋もれた小さな公園らしきところがあって、そこに入ってみる。
遊具もないもない空き地のような公園。そもそもこれは公園と呼んでいいのでしょうか…。