1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「…分かってんだよ。きついことも、ほんとは離れたくないのも…。なんで、傷つく方ばっか選ぶんだよ」
「…でも、遥人が」
「そんなに責任感じなくていい。あいつにだって、仲間がいるだろ?」
「…でも」
「なんで、頼っちゃダメなんだよ。頼ればいいだろ。大好きな人たちから離れて、辛いだけだろ。清牙さんは…お前の父さんは、頼れないのかよ」
「え?」
頼れないわけがない。
だって、高校生で私を娘にするって宣言して、それからずっと大事に育ててくれた人なんです。頼れない人なわけがない。
でも、今、私のしていることは、そういうこと…なんですか…?
「俺も、頼りないわけ?相談してもらえないほど、俺は弱いのか?」
「ッ違う!あきくんは…」
「なら、頼れよ!!バカな選択するくらい追いつめられる前に泣きついてこいよ!なんで、1番必要な時に来ないんだよ」
あきくんに心配をかけたくなかった。
あきくんに、親に会いたくないなんて、言えなった。
会いたくなかったはずの人がいなくなって、しんどかったなんて、言えなかった。
あきくんに回した手は震えていて、うまくすがれないのを、倍の力で抱きしめてくれる。