1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「でだ、よも、帰ってこい」

「ッ…で、でも…」

「姉ちゃん」

「ッ!?」

 振り返ると、あきくんの隣に立つ遥人がいて、一気に罪悪感が押し寄せてくる。

 何やってるんでしょうか…。遥人にこんなところ見られるなんて…。それに、遥人を裏切るみたいなこと…。

 遥人は、まっすぐこちらに歩いてくると、お父さんを見つめ、急に頭を下げてしまいました。どうして…?

「姉ちゃんを、お願いします!」

「は…遥人?」

「姉ちゃん、ごめんね。そんな辛い思いさせてたなんて、気づけなかった」

「ち、ちが…」

「それにさ、俺もお迎え来てくれたんだ」

「え?」

「そういうこと」

「うぎゃ!?」

 だ、誰ですか!?後ろから肩を掴んだ方は…!

 振り返るとまたびっくり。雷斗くんとこうちゃんがいました。…どうして。
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