1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「よも、な、心配ないだろ?」

 お父さんに肩を持たれる。足元には智希と望亜、そしてたった今お母さんの手から咲ちゃんまでやって来て、お母さんに抱きしめられる。

「よも、帰って来てよ。よもいないと調子狂っちゃう」

「…お母さん」

「うちには、お姉ちゃんが必要だからな」

「…お父さん」

「ねーね」

「ねぇね?」

「ぷ~」

 智希、望亜から不安げな視線が向けられて、咲ちゃんからは怒られるようにぺちぺち叩かれる。

 …いいのかな。大好きな人たちのところに戻って、幸せの中に戻ってもいいのかな…。

 お父さんを見上げると、笑って返してくれる。

「…また、いいんですか?」

「またも何も、よもはうちの家族だろ?」

「ッ…はい!」

 また涙がこぼれる。もう、泣きすぎです…。
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