1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「よも、秋空くん待ってるんじゃないの?」
「うん。いってきます」
「いってらっしゃい。気を付けるのよ?」
「ねーね、いってらっしゃ~い」
「いってらっちゃい!」
「ぶ~」
「いってくるね。咲ちゃんはぶ~ってしないの」
咲ちゃんのほっぺをぷにぷにします。はぅ、可愛いですッ。
「よも、いってらっしゃい」
「いってきます」
懐中時計をポケットに押し込んで、お父さんに笑いかけて玄関へ向かう。
靴を履いて、外へ飛び出すと、苦笑して待っててくれるあきくんがいる。
「遅いぞ。凍えさせる気かよ」
「ごめんなさいっ」
あきくんが差し出してくれた手に自分の手を重ねて歩き出す。