1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「清牙、何組だろ?」

「さぁな」

「もう、そこは同じクラスになれるといいね、でしょ?」

「高校になっても一緒にいるつもりか?」

「当たり前でしょ?付きまとってやるんだから、覚悟しなさい」

 なんだ、ただのカップルか。

 そんな認識で、自分の中の興味が一気に失せていく。

 あーあ、期待して損した。勝手に期待する奴が悪いけど。とっくの昔に確認済みの自分の教室へさっさと入っていった。

 そりゃそうだよな。特に特色のない、成績も運動も平凡な奴らの集まる良くも悪くもない公立高校に、そんなすごい奴が入ってくるなんてそうそうない。

 教室で席を確認してそこでふてぶてしく腰掛ける。

 つまんねぇ高校生活になりそうだな。

 そう思って、これから始まる3年間に気が重くなった。

 どうせなら、不良校とかに行った方が面白かったかもしれないと後悔して、ぼんやり外を眺める。
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