1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「剣人か、よろしく」
「…馴れ馴れしいな」
「入学式だぜ?お友達作りは大事だろ?」
なんだよそのお子様な理由は。
噂になってたのは、ただルックスがいいから女子が騒いだだけだったのか?
差し出された手を邪険に払うのは、なんかめんどくさくて、握り返しておいた。
特に、意味なんかなく。ただ、形だけのつもりで。
晴野は笑って、手を放す。
そこから話すのかと思いきや、どこかへ行ってしまう。あっけに取られて見ていると、他のクラスメイトに話しかけに行った。そして、また握手なんかしてる。
ほんとに友達作りとかするつもりかよ。ただのお子様か…。
それを見た瞬間に興味は一気に失せて、視線を外し、天井を眺める。
あぁ、つまんねぇのが最低でも1年は続くのか。いや、このまま3年間つまんねぇ可能性の方が高い…。
思いっきりため息をついて、誰かに話しかけられても無視を続けた。