1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「おい1年、随分調子乗ってんだってな?」
こんな平凡な学校にもいるんだな、こういうの。それが素直な感想。
目の前にいるのは多分3年生、番長とかいう奴?
くだらねぇとも思ったけど、番長の後ろにいる何人かに見覚えがあった。
「…調子乗ってるわけじゃないんですけど、連れがそこの先輩方に絡まれちゃったんで」
連れじゃなくて、ただのクラスメイトの女子数人だけど。明らかに嫌がってたから、ケンカやりたい気分で、逃がして、ケンカして、勝った。それだけだ。
突然肩を掴まれる。番長の目は、完全にイッてる。…ケンカか。
「そういう態度が、調子乗ってるっていうんだよ!!」
「ッぐ…」
最初の1発は甘んじて受ける。だけど、避けとけばよかった。流石、番長だけあって強い…。
次もよけきれずに食らう。周囲のはやし立てるような声。無理矢理立たされて、今度は顔に食らった。
うえ、血の味で染まった口が気持ち悪い…。つばと一緒に吐き出して、立ち上がる。
殴りかかろうとすると、番長とは全然違うところから拳が飛んできた。
…タイマンじゃ、やらせてもらえねぇってわけか…。