1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
自分の教室に入って、雰囲気が何となく似た子たちの輪に入って、何となく息を合わせる。
「そういえばさ、紅葉見た?晴野清牙くん!」
「え、それ誰?」
「えぇ!?知らないの?ここの入試トップで受かった子!超イケメンなんだよねぇ」
「えぇ、違うでしょ!すっごくケンカ強くて、1人で10人倒したらしいよ!」
何となく、さっき見た人の顔が思い浮かぶ。
あの人なら、そんな噂も立ちそう…。やっぱりすごい人気者っぽい。だけど、だからこそ燃える…!
「あ、ねぇあの子。さっき清牙くんの隣歩いてなかった?」
「え?あぁ…ほんとだ…」
振り向いたら、座席表の前に女の子がいた。さっき、清牙くん?の隣にいた子だ…。
まさか、こっちと同じクラスかぁ…。やりにくいかも…。
彼女は自分の席に座ると、誰かに話しかけようともせずに頬杖をついて外を眺める。そんな姿もちょっと絵になるような子だ。
うわぁ、ますますやりにくい…。
「ねぇ、声かけてみる?」
「いいね!いこいこ!」
まぁ、そういう流れになっちゃうよねぇ。意気込んで女の子に近づいていく2人に続く。