1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「ねぇ、紅葉もそう思うでしょ?」

「え?」

「えぇ、聞いてなかったの?」

「あぁ。ごめん。ちょっと飛んでた」

「まぁいいけどさぁ」

 また桃への悪口が続く。

 適当に相槌を打ちながら、ぼんやりと考えるのはやっぱり桃のこと。

 何かないかな?何か、話しかけれるようなきっかけ…。

 そんなことを思っていたら、不意に窓の外から見えた光景に思わず足を止める。…なんで。

「紅葉~?」

「…ご、ごめん先帰ってて!」

「え?紅葉~」

 2人の声も無視して廊下を走り出す。
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