1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「ま、私の話はこれくらいかな?」

 話し終えたところで、秋空くんが少しおびえるような目で私と桃を見てた。

「秋空くん?何か言いたいことがあるならどうぞ?」

「い!いえ、何でも…」

 完全に目が泳いでるんだけどねぇ。まぁ、いじめるのはやめとこう。よもとの関係に何かあったら嫌だしね?

 そういうよもはというと、やっぱりキラキラした目で桃を見てた。

「お母さんかっこいい!」

「あら、今更気づいたの?」

「改めてだよ!お母さん大好き!」

 そんなことを言いながらすでに抱き着いてるよもに桃は勝ち誇ったような顔で清牙を見てた。清牙は苦笑いかな。

 ま、2人ともよもにべた惚れだからしょうがない。

「よも!私は?」

「紅葉さんもかっこいいです~」

「こっち来なさいよ!桃ばっかずるい」

 前言撤回。私にとっても可愛いわが子なんだから!

 桃の腕から離れてこっちに来たよもを抱きしめる。最近なかなか来なくなったから今はよっぽど甘えたい気分なのね。

 思い残さないように思いっきり抱きしめた。
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