1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「っん…ふにゃ~!!!」

「あ」

「もう、せっかくよも堪能してたのに」

 もしかして嫉妬した?まさか、赤ちゃんにそれはないわよね…?

 火がついたように泣き出したわが子は女の子。

 名前は雪乃。実はよもにつけさせたのよね。颯人もよもなら安心だって結構前から頼んで考えてもらった。

 雪乃を抱っこして、ミルクをあげる。よももかわいいけど、やっぱりわが子は特別かな?

「よもぎちゃん、ありがとね」

「え?…颯人さん、もうお礼いうのやめましょうよ!私責任重大すぎて死ぬかと思ったんですよ!」

「あら、よも。これからうちの子はみんなよもが命名するのよ?いちいち気負いしない!」

「えぇ!?」

 よもの顔がさっと青ざめる。颯人も反論しないところを見ると同意見みたいね。

「紅葉、うちの子にプレッシャー与えないでよ」

「桃だって、ともとみあはよもに付けさせたんでしょ?桃ばっかずるいじゃない」

「え?蓬がつけたのか?」

「は、はい…。正確には名前の意味の方ですけど…」

「意味?」

 秋空くんが気になるのかよもをじっと見てる。

 よもは清牙を見て、頷かれると秋空くんに視線を戻した。
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