1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「ともくんの時なんですけど、ともきって読みは既に決まってたんです。漢字をどうしようかって悩んでる時に、私勝手にいろいろ漢字はめてたんです」

「その中からってことか?」

「まぁ、そういう感じです」

「よも、大事なとこ抜けてるじゃない」

 桃の言う通り。

 智希と望亜の名前が今の漢字になった最大の理由を言わないとは。よもったらほんとに謙虚なんだから。

 よもは視線を迷わせながら諦めて口を開く。

「えっと、智希、望亜って2人の名前をくっつけて、智と亜を抜くと、希望ってなるんです。2人は絶対に産むって言っていたので、2人の子どもが希望を持って暮らしていけるようにと…」

「へぇ、いいな。それ」

「咲ちゃんを合わせると、「希望が咲く」って意味なんです。お母さんが3人目を産むって決めた時にそうしようって」

 恥ずかしがるようにうつむいたよも。

 まぁ、中学生の時に半分お遊びで考えてたのを採用されたみたいだからよっぽど恥ずかしい思い出みたいね。
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