1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
いいよりいいもの 颯人side
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夏の気配が近づいてきた図書館で、1人大きな机の隅を陣取って参考書を開く。
それが僕の定番の位置になっていて、他にも図書館で勉強している人はいたけど、ほとんど3年生だった。
テストが近づいてきたこともあって、1年や2年の姿もちょろちょろ見かける。
だけど、誰にも話しかけられることがない。それも心地よさの1つだった。
「お前、渡来か?」
「ッ…晴野くん」
「やっぱりそうか。久しぶり?」
「…久しぶり、だね」
声をかけられることなんて本当になかったから、素で驚いた。
晴野くんとは同中だったけど、特に話したことはないし、2年の時に同じクラスになったことがあるだけ。
それなのに覚えてくれていたことに驚く。彼には友達が多かったし、人気者だったからほとんど話していない僕のことを覚えているなんて思わなかった。
晴野くんは僕の正面の席に座る。その手にはテスト課題と教科書がある。
あぁ、テスト勉強かなんて思って、視線を自分の手元に戻す。
夏の気配が近づいてきた図書館で、1人大きな机の隅を陣取って参考書を開く。
それが僕の定番の位置になっていて、他にも図書館で勉強している人はいたけど、ほとんど3年生だった。
テストが近づいてきたこともあって、1年や2年の姿もちょろちょろ見かける。
だけど、誰にも話しかけられることがない。それも心地よさの1つだった。
「お前、渡来か?」
「ッ…晴野くん」
「やっぱりそうか。久しぶり?」
「…久しぶり、だね」
声をかけられることなんて本当になかったから、素で驚いた。
晴野くんとは同中だったけど、特に話したことはないし、2年の時に同じクラスになったことがあるだけ。
それなのに覚えてくれていたことに驚く。彼には友達が多かったし、人気者だったからほとんど話していない僕のことを覚えているなんて思わなかった。
晴野くんは僕の正面の席に座る。その手にはテスト課題と教科書がある。
あぁ、テスト勉強かなんて思って、視線を自分の手元に戻す。