1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「清牙!剣人!おはよう」

「はよ。颯人」

「お~。颯人、なんかいい顔してんな」

 2人で歩いていた背後から声をかければ、同時に振り返る2人。

 剣人は僕の顔を見た瞬間、そんなことを言ってにやりと笑った。

「颯人、昼暇なら一緒に食うか?」

「いいの?」

「当然」

「ま、こえぇ女が2人ほどいるけどな」

「え?」

 と言ったところに背後から悪寒がした。な、なんだこれ!?

 振り返ると、恐ろしく美人な2人の女子生徒が満面の笑みを浮かべていた。

「剣人~?怖い女って誰のことかしら?」

「げ」

「まさか私たちのことじゃないわよね~?」

「…お前ら以外にだれがいるってんだよ!!」

「「ああ!?」」

 …確かに、怖いかもしれない。

 清牙はお腹抱えて笑ってるけど、そんなのんきな状況なのかこれは…。

 青ざめてるのは自分だけで、あとはみんな楽しそうだ。
< 419 / 523 >

この作品をシェア

pagetop