1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「清牙!剣人!おはよう」
「はよ。颯人」
「お~。颯人、なんかいい顔してんな」
2人で歩いていた背後から声をかければ、同時に振り返る2人。
剣人は僕の顔を見た瞬間、そんなことを言ってにやりと笑った。
「颯人、昼暇なら一緒に食うか?」
「いいの?」
「当然」
「ま、こえぇ女が2人ほどいるけどな」
「え?」
と言ったところに背後から悪寒がした。な、なんだこれ!?
振り返ると、恐ろしく美人な2人の女子生徒が満面の笑みを浮かべていた。
「剣人~?怖い女って誰のことかしら?」
「げ」
「まさか私たちのことじゃないわよね~?」
「…お前ら以外にだれがいるってんだよ!!」
「「ああ!?」」
…確かに、怖いかもしれない。
清牙はお腹抱えて笑ってるけど、そんなのんきな状況なのかこれは…。
青ざめてるのは自分だけで、あとはみんな楽しそうだ。