1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「で、颯人だっけ?よろしく。私桃っていうの。呼び捨てでよろしく」

「私が紅葉ね。私も名前の呼び捨てでよろしく~」

 そんな軽い自己紹介に、どういう反応をしたらいいのか困る。

 だけど、どまじめに自己紹介したら、思いっきり笑われた。

 どうしてだろう。なぜか楽しいと思ってる。この状況を、清牙の仲間の中にいることがひどく心地いい。

 清牙を見れば、笑っていて。

「颯人、今度男だけでカラオケいかね?」

「あ~ずるい!剣人!!」

「うっせ。女は女だけで行けばいいだろ」

「男女差別反対!」

「はぁ、差別してねぇだろ?」

「してるじゃない!」

「してねぇよ!!」

 バカなことで騒ぐ剣人と桃、紅葉に、そんな状況を楽しんでいる清牙。

 その状況に自然と入れられている自分。なぜか、ものすごく楽しかった。
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