1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「秋空、どうする?大人しくしてるなら退院してもいいぞ」
「あきくん、一緒に帰りましょうよ。病院怖いので嫌です」
「入院してもいいぞ。よももおまけで付いてくるみてぇだし」
「剣人さんが意地悪します…」
俺に聞いてるはずなのに、蓬も剣人さんもふざけてる。清牙さんは笑って、蓬を撫でた。
「剣人、残念ながら2人とも連れて帰るからな。うちのチビどもが2人の帰りを待ってる」
「なら、俺も後で行くわ」
「…俊也連れてくんなよ」
「分かってるって。あいつうるせぇし」
蓬と清牙さんに手伝ってもらってベッドから降りる。結構体中痛いな、これ…。
「あ、やべ薬だすの忘れた。ちょっと待ってろ」
「おい、いつものとこでいいのか?」
「総合受付の近くだ~!」
剣人さん走って行ってしまった。そんなにあわてなくても大丈夫なのに…。
借金取りの話なんか一切しないで、楽しげな雰囲気を作ってくれる。薬が出るまでも、蓬が甘えてきたりして、なんか和んだ。