1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「…蓬、終業式終わったら親父に会いに行ってくる」

「…はい」

「待っててくれ。話したらすぐに戻ってくるから」

「うん。待ってる。…電話来たらすぐに公園に行くね」

「分かった。迎えに行く」

 布団の中でそんな約束をして、気づいたら手をつないだまま寝ていました。

 約1年越しに果たせた約束。もう3年生になっちゃいます。

 出会ってからまだ1年と5か月くらいしか経ってないのに、ずっと前から一緒にいるような感覚です。

 先に目を覚ますと、あきくんは安心しきった顔で眠っていて、思わずきゅんって心が高鳴る。

「…あきくん、大好き」

 寝てるからできる。言葉にすること。

 自分で言ったくせに顔が熱くなってしまいました。言葉にして伝えるって、難しいですね。

 あきくん、私はあなたの支えになれますか?
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