1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

 家に戻ると、桃だけがこっそりと出てくる。

「どうだった?」

「あの人は血を信じすぎだ。…よもは」

「見て」

 くすりと笑った桃は、また忍び足でリビングに戻る。
 それに続いて、足音を立てないようにそっとリビングに向かう。

 リビングを覗き込んだところで思わず笑みがこぼれた。

「かわいいでしょ?」

「あぁ。本当にな」

 咲を抱いたままうたた寝をしているよもの膝を枕にして望亜が寝ていて、智希がよもに寄り添うように隣で同じようにうたた寝をしている。

 散らかっているおもちゃを見る限り、よもは智希と望亜に振り回されていたんだろう。
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