1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
「そりゃ、最初は怖くて仕方なかったですよ。どれだけ無視しようとしても話しかけてくるなんて、あきくんが初めてでしたし」
そう、ずっと最初は怖かった。
またいじめられるんじゃないか。また学校に行くのが怖くなるんじゃないか。また裏切られるんじゃないか。
怖くて、怖くてたまらなかった。
だけど、あきくんはふとした時から優しくなって、気づけば甘えるようになっていった。
あきくんの強さに、思いに、安心して、傍にいたいって思うようになって。
でも、それはなんなのか、分からなくて。
ただ、自分に優しくしてくれる友達なんだって、そう思うことでほっとしていた。
「まぁ、今こうしてられるなら、アタックしまくってよかったけどな」
「そうですね」
でも、今は違う。友達以上に、大切な人。
あきくんは笑って、私を見つめる。その視線がどこか熱い。