1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「こんにちは!朔夜さん、連れてきました」

「ご苦労だったな」

「よもぎちゃん、ココア飲みますか?」

「ありがとうございます!」

 軽い調子で部屋に入っていったよもぎちゃんはお役目終了というように、眼鏡をかけたダークブラウンの髪をした人に駆け寄って行く。

 よもぎちゃんが朔夜さんと呼んだ人は、まっすぐ俺に視線を向けてきている男の人だった。

 ダークブルーに染めた髪は、驚くほどその人に似あっていて、男の俺でも引き付けられる何かを持っている人だった。

「入って来い」

「し、失礼します!」

 頭を下げて部屋の中に入る。

 さっきとは比べ物にならないほどの緊張感が漂った空気に思わず息をのむ。
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