1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「よも、おかえり~」

「ただいま~。咲ちゃんもただいま」

「っん!」

 咲ちゃんは、ねーねの声にはなにか返事してるみたいな声をだすんだ。
 ん!とかあう!とか。なんかうれしそう。

「ねぇね、ぎゅうして?」

 望亜はねーねが帰ってくると、ずっとねーねの近くにいる。

 ねーねがおべんきょする時も、おひるねしてるときも、ねぇねのとなりをじっと守ってるみたい。

「いいよ。おいで?」

 ねーねはすぐに望亜をぎゅってして、望亜はねーねにぎゅうっていっぱいしてもらえる。

 いいなって、思うけど、でも、ぼくはお兄ちゃんだから、だから、望亜も咲も、ねーねもお母さんも守らなきゃ。

 だから、ぎゅうってしてもらうのは、ねーねが帰ってきた時だけ…。

「と~もくん、お姉ちゃんぎゅってしてくれないの?」

 おいでおいでってするねーねに、うれしくなって、ねーねをぎゅってする。

 ぎゅってするのはちょっとだけ。

 でも、ねーねが呼んでくれたらいっぱいぎゅってしてあげるんだ!
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