1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「…ともくん、ごめんあきくんと遊んでくれる?」

「ッ…ヤダ!!!ねーねがいい!」

「ともくん?」

「っ…もうお兄ちゃんヤダ!お兄ちゃんやめる!!ねーねの1ばんがいい!!」

 我慢ばっかりヤダ。

 もうお兄ちゃんじゃなくていいから、ママは咲ちゃんのだから、だから、ねーねはぼくのがいい。
 ぼくも、いっぱいぎゅうってしてほしいもん!

 ねーねにぎゅってして、離れないようにぎゅってした。

「…よも、秋空くん、ちょっとともと遊んできてあげて」

「うん。あきくん、いいですか?」

「あたりまえだろ。智希、ちょっとお兄ちゃん休憩しような」

 隣にあきら兄ちゃんがいて、ねーねもぼくだけ見てくれた。

 うんって頷いたら、ねーねとあきら兄ちゃんが手をぎゅってしてくれた。

「それじゃ、ちょっと行ってくるね」

「みあも!」

「望亜、今日はお姉ちゃん頑張って」

「ッ…うぅ…」

 望亜も、咲ちゃんもお留守番。

 ねーねもあきら兄ちゃんもぼくの手をぎゅってしてくれる。
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