1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「…なら、俺に言えるか?」

 あきら兄ちゃんは…う~ん。

 ……いい。あきら兄ちゃんは、ぼくが守るんじゃないもん。
 あきら兄ちゃんは、ねーねを守るんだって、パパ言ってたから、だから、あきらにいちゃんはいい。だって、僕と同じだもん。

「…うん」

「なら、嫌になったら、俺に言え。ちょっとでもヤダって思ったら、こっそり教えに来い。約束は?」

「する!」

「よし。約束な」

 あきら兄ちゃんが頭ポンポンってしてくれた。

 あきら兄ちゃんも一緒なら、お兄ちゃん頑張れる。
 一緒にねーね守ってくれるもん!

「よし、じゃあ帰るか」

「あきら兄ちゃんねーねの手つないで!ぼくおうちまであんないしてあげる!」

「「え?…」」

 ねーねとあきら兄ちゃんはなんでかちょっとほっぺが赤かった。

 あきら兄ちゃんがねーねの手をぎゅってしたら、ねーねはもっと赤くなった。

 リンゴみたいに真っ赤だよ?
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