〜記憶のカケラ〜もう一度
教室のドアを開けると窓の外を眺めている人がいた。
それが誰かはすぐにわかった。
「こう…た?」
「ピンポーン、正解!」
光太は悲しそうな笑顔で徐々に近寄ってくる。
「忘れ物?」
私は、光太に聞かれた言葉を無視するつもりはない……
でも、何故か言葉が出てくる。
「遠回りしたけど来たよ?」
光太は、びっくりした顔をしてまた、悲しい笑顔に戻った。
なぜだろう?涙が止まらない。
「光太………こーちゃん、ごめんね?返事たくさん待たせちゃって…明日の放課後って言ったのに………ごめんね?」
光太は、びっくりした顔をして次はなんだか嬉しそうな悲しそうな顔をした。
言葉と涙が溢れ出てくる。
そして、懐かしいような私の知らない私の記憶までもが…………。
「待ってたよ…ずっとずっと…。約束したからなっ優奈?返事は決まった??」
「とっくだよ?こーちゃん………私も、大好きだよ?」
私達は、長い長い恋をした。
そして、やっと私達は結ばれた。