〜記憶のカケラ〜もう一度
顔を洗って髪を束ねてお団子にする。
軽くメイクをして家を出る。
「優奈っおはようっ」
「あ、おはようっ優里っ」
金子 優里(かねこ ゆり)
優里は、とにかくモテる!
顔も可愛くて背が小さい。
153㌢しかない!
でも、はっきりした性格で男子からも女子からの人気も半端ない!!
最高の幼馴染で親友っ!
「今日、転校生来るって知ってた?」
「え?そうなの?てか、なんで優里が知ってるの?」
「え?生徒会長が言ってたよ?」
優里は、年上からの人気もすごくていろんな情報が入ってくる。
「そうなのっ何組に来るんだろうね?」
「んー?確かだけど優奈と一緒だってさっ」
え?まじかっ…。
「男だよ?名前は、立花光太?だっけかな?」
タチバナコウタ??
「誰だっけ?」
「あははっ知ってるわけないでしょっ転校生だよ?」
「そうだけど…」
なんだか懐かしい…
誰だろ?
考えているうちに学校についた。
「じゃー、また帰りね?」
「うんっ」
優里と教室の前で別れた。
優里はC組。
私はE組。
悲しいことに1年2年と離れてしまった…。
あ、そういえばうちのクラスに転校生か…。
ガラッ
「席付けっ」
皆が一斉に席につく。
うちの担任は、怒ると半端じゃないくらい怖い。
「転校生を紹介する。入ってこいっ」
「「キャーーーッ」」
女子の黄色い声が響く。
まぁ、それもそのはずすっごくイケメンくんなのです!
「立花光太です。よろしく」
彼は、ニコッと微笑む。
さらに、女の子たちは黄色い声を上げる。
「席はぁーっと井澤の隣なっ井澤っ手を上げろっ」
「え?あ、はいっ」
私は、慌てて手を上げた。
彼と、目があった。
彼は、悲しそうな目をした。
こっちに向かって歩いてくる。
私の席は一番後ろの席。
彼は、何も言わず席に座った。
「井澤っ今日昼休みに校舎案内してやれっ」
「え?あ、はい…」
最悪だぁ…………。
「よろしくね?井澤優奈です」
「よろしく」
彼は、無愛想にこっちも見ずに言った。
何よっ最悪
最初の印象はそんなんだった。
まさか彼が………。