〜記憶のカケラ〜もう一度


「転校生を紹介する。入ってこいっ」

俺は、言われた通り教室に入った。
みんなが懐かしい。

「「キャーーーッ」」

女子の声すら懐かしくなる。
俺は、自己紹介をして挨拶をすぐに済ませた。


「席はぁーっと井澤の隣なっ井澤っ手を上げろっ」

「え?あ、はいっ」

優奈………
優奈と目があった。

優奈……
今日が最後なんだな……。

俺は、そんな事を思いながら席についた。



「井澤っ今日昼休みに校舎案内してやれっ」

「え?あ、はい…」


優奈との校舎案内もこれで最後……。


「よろしくね?井澤優奈です」


「よろしく」


これ以上話したら涙が出てきそうで話せなかった。

優奈………ごめん………好きだよ………。

優奈に触れたい。

優奈と話したい。

優奈とずっと一緒にいたい。




授業中も、なるべく優奈のほうを見ないようにした。
見たらきっと俺は泣くだろう。




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