クレソン・スピリッツ
「まあ、本人が大丈夫というなら」

この後、大事な予定が控えていることもあり、ミケルは少女の発言で無理やり納得することにした。

ガーベラ通りを越え、一つ裏の通りに入った。
表の露店とは雰囲気が大きく異なる。
暗くジメジメしていた。

通りに入って直ぐの場所に、
黒服でサングラスをかけた
スキンヘッドの恰幅が良い男が立っていた。

男は、ミケルに気が付くと
ぎこちない動きで腰を曲げた。

「ミケル・マスデージ様ですね」

「はい。はじめまして。
あなたが、案内人のガウスさんですね」

「左様で。では、ボスの元に案内します」

「よろしくお願いします」
< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop