クレソン・スピリッツ
「ラッザロ!」

廃ビルの一角に
事務所を構える情報屋・ベルーフ。
ジーナはノックなしに駆け込み
部屋の主の名を呼ぶ。

「よお、ジーナ。
どうしたそんなに慌てて」

「マリオンが、拉致された!」

「!!」

情報屋、ラッザロは額に手をあて溜息を吐いた。
そしてジーナに、拾って来たオンボロソファを勧める。

「ラッザロ。私は、マリオンを助けたい。
頼む、力を貸してほしい!」

「ジーナ、落ち着いて聞け」

ラッザロの表情は真剣そのものだった。
ジーナは高ぶる感情を
やっとの思いで抑え込み、ラッザロの話に耳を傾けた。
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