クレソン・スピリッツ
「最近、北のスラムで拉致事件があったらしい」

「北のスラムで?
……ひょっとして【透視】のミラーがいる、あのスラムか?」

「察しが良くて助かる。
そうだ。そして拉致されたのは、
そのミラー本人だ」

「そんな、知らなかった……」

「無理もない。
俺も、昨日知ったばかりだしな」

ラッザロはスクラップした資料を
ジーナの前に広げた。
そこにはミラーの情報の他に
この数か月、
ガーベラ子爵領近隣で起きた
拉致・誘拐・失踪事件についての情報も集められていた。
< 19 / 31 >

この作品をシェア

pagetop