クレソン・スピリッツ
どんよりと重たい空気が、
事務所内に立ち込めた。

マリオンがいる可能性のある
危険生物実験場に
今すぐにでも向かいたい!

しかし仮に奇跡的に辿りつけたとして
帰路の確保が出来ない。
人間をとって食おうとする
化物たちの住処に
自ら飛び込んで行くなど、
自殺願望も甚だしい。

ジーナは歯がゆい思いで
気が狂いそうだった。
自分の無力さが腹立たしい。

大切な家族一人すら、
守ることも
助けることも出来ない。
自分の弱さが許せなかった。
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