クレソン・スピリッツ
「マスデージさん?
どうかされました?」

「はい……。
リストさん。見付けました」

目元から頬に零れ落ちる雫を
ミケルはハンカチで拭った。
しかし涙は止まらない。

「彼女です。
間違いありません。
彼女こそが、358番目のマリオンです」

「358番目?
何のことだか分かりかねますが、
確かに今示されている娘は
マリオンと言います」

「彼女に合せてください。
いえ、彼女を引き取らせてください」

「マスデージさん?」

「いきなり無茶を言っているのは承知しています。
でも、お願いです。
私には、彼女が必要なんです」

「……分かりました」
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