クレソン・スピリッツ

「ジーナお姉ちゃん。お帰り！」

「おう、皆。元気だったか！」

少女、ジーナの周りに5歳くらいの子どもが三人駆け寄った。
皆、一様に痩せ、ボロを纏っている。
それでも純粋な笑顔は、普通の5歳児と変わらない。

「うん。元気だよ」

「わたしも！」

「ぼくも！」

元気いっぱいの三人に、
ジーナは荒んだ心が癒されていくのを感じた。

生きる為に客を取り、
身体を許し、
物のように乱暴に扱われ
いつ身籠り仕事が出来なくなるか

……そんな屈辱と不安、恐怖の中で生きるジーナにとって、この子どもたちの笑顔だけは守りたいと思える宝物だ。