Your Smile ~君との未来~


昼休みになると、

「二宮くん!」

と、呼ばれるのも毎回のこと。

「なに?」

「お弁当作ってきたの!」

と、キラキラした表情で言ってくる、佐藤。

うっ、

「いらない。」

思わず思ってもないことが口から漏れた。

そしたら、悲しそうな顔をする佐藤に、

胸がいたんだ。

なんだこれ?

「やっぱり、もらう。
ありがとな。」

と、佐藤の手元から、お弁当箱を奪うと、

俺に笑顔を向ける佐藤。

思わず、頭を撫でたいという衝動に駆られるのを必死に抑えて、

川島と空き教室に向かった。

< 29 / 406 >

この作品をシェア

pagetop