その傷に契約を、その傷に唇を。
嵐くんはわたしや蓮くんと同い年だけど成長が他のみんなよりも早く身体の大きなワンパクな男の子。
いつも遊ぶ度にどこかしらに傷を付けていたような、そんな男の子。
みんなは「嵐くん」と呼んでいたけど小さなころ、わたしは「嵐」の「ら」の字が上手く発音ができなくて、「ありゃしくん」と呼んでいた。
でもその呼び方を周りの子からバカにされ、怒った嵐くんが何度かわたしに「ら」の発音を教えたけどやっぱりダメで、わたしは嵐くんのことを「あーちゃん」と呼ぶことにした。
ガキ大将であった嵐くんを「あーちゃん」と可愛い呼び名で呼んでいたのはわたしだけ。
あーちゃんはいつもわたしが泣くとすぐに駆け寄ってきて「ほら!泣くな!」って服の袖でゴシゴシと涙を拭いてくれた。
「オレがずっとわかのこと守ってやるから泣くな!」
そう言って太陽みたいに笑うんだ。
いつも遊ぶ度にどこかしらに傷を付けていたような、そんな男の子。
みんなは「嵐くん」と呼んでいたけど小さなころ、わたしは「嵐」の「ら」の字が上手く発音ができなくて、「ありゃしくん」と呼んでいた。
でもその呼び方を周りの子からバカにされ、怒った嵐くんが何度かわたしに「ら」の発音を教えたけどやっぱりダメで、わたしは嵐くんのことを「あーちゃん」と呼ぶことにした。
ガキ大将であった嵐くんを「あーちゃん」と可愛い呼び名で呼んでいたのはわたしだけ。
あーちゃんはいつもわたしが泣くとすぐに駆け寄ってきて「ほら!泣くな!」って服の袖でゴシゴシと涙を拭いてくれた。
「オレがずっとわかのこと守ってやるから泣くな!」
そう言って太陽みたいに笑うんだ。