その傷に契約を、その傷に唇を。
「和花さ、いい加減、神戸に告白してスッキリしちゃいなよ」


「いいの。このままで」


「もったいないよ?この前だって和花、違うクラスのヤツに告白されたのに断って。試しに付き合っちゃえばいいのに」


「それは、できないよ…」


わたしと蓮は幼なじみから抜け出せることは一生ない。


それならば、このままでも構わない。


「ふぅん。まぁ和花がそう言うならわたしは応援するけど」


「ありがとう、綾ちゃん」


そう言うと綾ちゃんはにっこり笑って大きな声を出して前を歩いてる蓮を呼び止めた。


「神戸ぇ!!!」


綾ちゃんに呼ばれた蓮は面倒くさそうにこちらを振り返る。


「和花ちゃん、綾ちゃん、おはよう」


けれど挨拶してきたのは蓮の隣にいる菜穂ちゃんで。
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