あなたがすき
視線の先
カノジョは作らない主義、っていうウワサがあったから、私は未だに動揺している。
「山中くん?」
廊下で窓の外をぼんやり見ていたから、どうしたかと思って、声をかけてみた。外はいつからか、雨が降りだしていた。
「傘ないの?」
「大丈夫と踏んで、忘れた。」
クールなイケメンと見せかけて、たまに不思議ちゃんで、なんか目が離せないよな、山中くん。
「ちょっと待ってて。ロッカーに置き傘あ…」
最後の言葉まで言い切る前に、手首をつかまれた。
「いや、いらない。」
「え?そっか。」
つかまれた瞬間から、胸の鼓動が早まったけど、その一言で平常運転に戻った。
「1本はあるんでしょ?」
私はコクリとうなずいた。
「それでいいから。」
「え?どういうこと?」
すると、山中くんはそっと耳打ちした。
「佐野さんの傘に入れてもらうから。」
「え?」
「いや…千夏ちゃんの傘に入りたいから。」
「山中くん?」
廊下で窓の外をぼんやり見ていたから、どうしたかと思って、声をかけてみた。外はいつからか、雨が降りだしていた。
「傘ないの?」
「大丈夫と踏んで、忘れた。」
クールなイケメンと見せかけて、たまに不思議ちゃんで、なんか目が離せないよな、山中くん。
「ちょっと待ってて。ロッカーに置き傘あ…」
最後の言葉まで言い切る前に、手首をつかまれた。
「いや、いらない。」
「え?そっか。」
つかまれた瞬間から、胸の鼓動が早まったけど、その一言で平常運転に戻った。
「1本はあるんでしょ?」
私はコクリとうなずいた。
「それでいいから。」
「え?どういうこと?」
すると、山中くんはそっと耳打ちした。
「佐野さんの傘に入れてもらうから。」
「え?」
「いや…千夏ちゃんの傘に入りたいから。」