あなたがすき
一人じゃない
放課後。
今日は部活がない。書道部の私にとって、天文部は全く縁がない。前の席の津田くんから、天文部の部室に来てっていうメモをもらわない限り、来ることはなかった。

扉の前で深呼吸した。津田くんから、短い間にいろいろな言葉が流れてきた。人の気持ちを読み取ってしまう力なんて、やっぱり面倒くさいだけで、私には荷が重い。いらない。

扉を開けようとしたら、中から開いた。

「ごめん、見えたから。入って。」

見えた?

促されてそばにあった椅子に座った。

「見せたいものがあったんだ。」

そう言うと、電気を消されて真っ暗になった。え?と思った数秒後、部屋がプラネタリウムみたいに、星でいっぱいになった。

「僕は、透視が出来るんだ。」

隣に津田くんが立っていた。星空を見ながら、彼の力や私の力に気づいた経緯を話してくれた。

「世界は広いし、一人じゃないよ。」

涙が出た。ただただ、嬉しかった。
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