あなたがすき
触れた形
お互いが同じ気持ちだったことを知って1週間。今まで知らなかったことを知る度に、正樹さんがもっと好きになり、気づかなかったことに目が止まると、聞きたくなった。
仕事が片付かなくて遅くなってしまった水曜日。
珍しく正樹さんが残業終わりに寄ってくれた。誰もいない図書室は、職場なのに職場ではない感覚で、落ち着かない。
そして数分前に気になってしまったことを、言葉にしたくて仕方なくなった。
「先生、あ…」
その瞬間、扉をやかましく開けて、忘れ物をした大野先生が入ってきて、バタバタと出ていった。
「ほの?」
「はい。」
「何かあったん?」
ふと我に帰ったが、また何かありそうで…
「いや、やっぱいいです。」
「え?」
「あ、後にします。」
気になった正樹さんが、近づいてきた。
「じゃあ、すぐ帰ろう。」
「え?」
「後で、なんて無理。」
そっとキスをくれた。
その唇、ズルいです。
仕事が片付かなくて遅くなってしまった水曜日。
珍しく正樹さんが残業終わりに寄ってくれた。誰もいない図書室は、職場なのに職場ではない感覚で、落ち着かない。
そして数分前に気になってしまったことを、言葉にしたくて仕方なくなった。
「先生、あ…」
その瞬間、扉をやかましく開けて、忘れ物をした大野先生が入ってきて、バタバタと出ていった。
「ほの?」
「はい。」
「何かあったん?」
ふと我に帰ったが、また何かありそうで…
「いや、やっぱいいです。」
「え?」
「あ、後にします。」
気になった正樹さんが、近づいてきた。
「じゃあ、すぐ帰ろう。」
「え?」
「後で、なんて無理。」
そっとキスをくれた。
その唇、ズルいです。