僕は君のことが好きだった。
甘い練乳みたいな臭いの新山と、肩を並べて歩く。

よし決めた!明日からはマスクを着けて登校しよう!

「新山、その香水、なんの臭い(匂い)?」

「これは、甘いコンデンスミルクの香り!」

今どきの女子高生は、「練乳」を、「コンデンスミルク」って言うんだ?

それにしても臭い!


「あ、拓様!これ、私が作ったお菓子です!受け取ってください‼」

1年の谷岡果林(タニオカ カリン )が可愛い袋に入れられたクッキーを差し出した。

「ありがと「ちょっと貴方、拓君は私の婚約者なの!手ぇ出さないでよ‼」

もうやだ。新山と結婚なんてあり得ない!



僕は駅に向かって、一目散に駆け出した。


デートは中止になった、いや、僕が中止にした。
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