僕は君のことが好きだった。
「花香、あんた、馬鹿だね。」

莉愛に、いきなりそんなことを言われた。

「あんた、カンニングしたでしょ。
萌絵に聞いたんだから。」

莉愛が笑顔で言った。

私は黙ってしまった。

だって、私がカンニングしたことは、紛れもない事実だから。

「何とか言えよ!」

莉愛の怒鳴る声が聞こえた瞬間、私は教室の隅に蹴り飛ばされた。

体が麻痺したように動けなくなった。

痛いよ…どうしてこんなことするの…?
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