僕は君のことが好きだった。
「あらら、可哀想に。」

恐る恐る頭を上げると、笑みを浮かべた萌絵がいた。

「花香、おめでとう。数学3位だったね。」

皮肉で言われているのは分かってる。

カンニングしたから数学が3位なんだ。

何故か笑みを漏らしてしまった。

「何笑ってんだよ!」

次は親友だった萌絵に蹴り飛ばされた。

「あの時の痛み、返してあげるから。」

その萌絵の一言で、私は恐怖の世界へ迷いこんだ。

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