僕は君のことが好きだった。
美しい、雑誌やテレビから抜け出して来たような華やかな女子の集うグループだった。

「花香のグロス、可愛い!」

「どこで買ったの?」

皆の中心で笑う、花香と呼ばれたその女子が、私の方を向いた。

うわぁー!

人形のように美しい姿に、吸い込まれそうになる。

「あら、新入り?にしては、随分地味。
そうでしょ?志乃。」

「ホントホント!よく顔面偏差値試験に受かったね。」

志乃、と呼ばれたその女子は、私を見るなり笑ってきた。
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