僕は君のことが好きだった。
そう考えた瞬間、僕の中に大切にしまっておいた花香との思い出が、

ガシャン!

と、ガラスが割れるような音をたてて砕け散った。

 ̄ ̄学校の帰り、一緒にアイスクリームを食べた時、お年寄りに席を譲った優しい花香。

生徒会長として、全校生徒の悩みをしっかり聞き、一つ一つに丁寧に答える花香。


それらは全て、偽善者の花香の行動だった。



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